2012年4月22日日曜日

次女からのある日のメール


ニューメキシコで看護師として働く次女からのメールです。
毎日いろいろな貴重な体験をしている彼女。
でも昨日届いたこのメールには、婆やもびっくり!
余りに貴重な経験なので、彼女の許しを得て、ブログに載せることにしました。
そんな訳で写真は無しですが、まあとにかく読んでみてください。






件名: 先週仕事で。




先週仕事で事件が、、、

結構混んでた日、
患者も2時間くらい待ってる状態、、
その中帰る患者もいれば
ずっと待ってる患者も

次の患者
「___さん〜〜」
と呼ぶ私に男の子が
「その人達もう帰ったよぉ〜♪」
と言ってくれた
可愛い子。
横にはお父さん。
この子もだいぶ待ってる、、「あなたのお名前は?」
「____!」
あっ、次に呼ばれる子だ
「もうちょっと待っててね、ごめんね待たせちゃって」
お父さんにも挨拶して、
父子共に感じのいい人達だ

そして2時間以上も待たせた上
やっとこの子を診察室に呼べるように
耳の痛みで来た8歳の男の子
また謝って
お父さんも「大丈夫よ〜」
って言ってくれて

そして診察室に入れ
ドアを閉めようとした瞬間
その男の子が私に一枚の紙を、、、
そこには何行かの鉛筆で書かれた文字が
「うん?これ僕が書いたの?」「うん!」
「すごいねぇ~、お話かなんか書いたの?」
「うん!」
と読み始める私、、
そこには、、、、、、

   「昨日の夜とても怖い事が起きた。、、、」

と始まった。
^^なんかお話を書いたんだなぁ〜
と次の一行を読み始めた私はびっくりした、、

   「お父さんがお母さんを殴りました。
    ドアも殴って、ドアが壊れました。
    そして殴られたお母さんは窓にぶつかり
    窓が壊れてガラスが割れ
    お母さんは頭から血がいっぱい出ました。
    お母さんは警察に電話をしました。」

一瞬言葉を無くした。
そしてその子に「これちょっともらっていいかな?」と笑顔で聞いた
「うん、いいよ」
「ありがとう^^」
と私はドアを閉めた。

お父さんは子供が何を書いたのか気づいてないようだ。
私はこの紙を医者に見せた。

まさかこんな事がその紙に書かれてたとは、、、

医者と話して
そして二人でまた違う医者に相談しに行き
SocialWorkに電話をする事に
医者が一人でこの事をお父さんに問いかけるのは危険と言う判断で
この件に関してはSocialWorkをとりあえず待つ事に

にしてもその子は偉いと思った。
こんなにちゃんと書けた事
それを私に渡した事

それを医者ともちょっと話してた
「こんなにちゃんと文章に出来るのすごいと思います」(次女)
「そうね、私の14歳の息子よりもちゃんと書けてるわ」(医者)

そしてSocialWorkを待つこと30分
まだ来ない、、

医者が出てきて
「もうこれ以上伸ばせないわ」
そう、
SocialWorkが来るのをお父さんに伝えられないから
怪しまれないように
診察を伸ばしていた医者
SocialWorkの人が来たら
ばれないように私が医者を違う用のためのふりをして、知らせることにした。
再度SocialWorkに電話して
そして5分後くらいにやっと来た。
最初は医者とその人だけで違う部屋に入り事情説明。

そしてその間ホールに見張りでいた私。

そしたら、診察室からその子が顔をだして、、、
「ねぇ、お母さんを呼んでもいい??」
とまた笑顔。

こんな時にこんなに可愛く、素直に、笑顔でいれるなんて
すごいと思った。
偉いなぁと思った。

「お母さん??」
「うん、待合室にいるの」

えっ?来てたのか、、、さっきはいなかったのに、、、
でもこの状況では診察室に呼べない、
でもそれを子供にも言えない、、
とりあえずお母さんの名前を聞き
呼んでみるね
と言った

そして医者とSocialWorkに説明して
じゃお母さんとまず話そうとなり
医者、SocialWork,お母さんとの3人でまず話すと言う事に。

待合室にいるはずのお母さんを呼ぶ私。

そこにはNachosを食べているお母さんと娘。
娘は男の子のお姉ちゃんなんだろう、11〜12歳くらいかな。
お母さん一人でとお願いして
お母さんを子供がいる診察室ではなく医者とSocialWorkがいる部屋に案内した

それをドアから顔を出して見てしまった子供、、
「お母さんどこ行くの??」
「うん?お医者さんがお母さんとちょっと話したいみたいなの。あなたおねえちゃんいるでしょう^^?」
と話を変えようとした
「うん!」
「お姉ちゃんも来てるよ、待合室でNacho食べてたよ^^」
「えっ、本当!?」
と待合室に向かって歩き出すその子
まっ、いいか、、、気を紛らわすために
と後をついていく私
そして待合室のドアを開け
お姉ちゃんを発見した男の子
そして
お姉ちゃんの後ろにある壁にあるポスターを指さして、、、

「あれ」
「うん?」
「あれを書いたの!」と笑顔で指差す先にはDomesticViolenceのお話が書かれたポスター、、、、、、、、、、、

「うん?????、、、あれを、、、書いたって、、、??」

「うん、あれを書いたの^^」

そして近づいて呼んでみると、、
さっき渡された紙に書かれたのと全く一緒の文章がそこに、、、、、、、、、






、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、



、、、、、、、、、、 ^^;;;;;;;;


やばい。

そう。
その子は2時間待たされている間にあまりにも暇だったのであろう。
壁に貼ってあったDomesticViolenceのお話の一部をそっくりそのまま紙にコピーしたのだ。

おそらく書けた事が嬉しくて私に見せたのであろう。。

、、、、、おい!!!

  ;
慌てて医者とSocialWorkとお母さんがいる部屋に行き
コンコンとドアをたたいてそっとあけた
医者は「なんで今入ってくるの?」と言う視線
お母さんは涙目で慌てている様子
私は医者に小声で状況を説明。。。

そして医者がSocialWorkに説明。
お母さんは何を疑われているのか
なんでこんな質問をうけているのか
なんで旦那が疑われいるのか
まだ理解できていない状態だった
その時にはまだ手紙の話はしてなかったらしく
家庭の状況とかを聞かれていたらしい

そして全部説明。。


大笑いしていいのか
なにやら、、、
まぁある意味すごく安心はしたよね、、、


医者と話して二人で大笑い
まさかこんな事とは
恥ずかしいようで
申し訳ないようで
でも他にどうしようもなかったような
ただただ「、、、っマジか!!?」
と言う感情



 とりあえず一件落着、、、、?







にしても


コピーしただけかい!!!!!!!!!!!!!!!!

そして何故あの文章を!?!?!



だからあんなにちゃんと書けてたのね。。。笑
そしてだからあんなに笑顔だったのね、、、、笑

だって、、、
なんにもなかったんだもん、笑



いいドッキリだわい。



親にも謝って、
子供のコピー能力も褒め
笑いながらバイバイしたけど


まぁ、誰一人間違った事はしてない事件です、笑

子供もお父さんもお母さんも
医者もSocialWorkも、、、


たぶん私も、、、




にしても、、、、、、、笑



まっ、
面白かったわ、さんざんその後みんなに笑われて
みんなで笑って

結果楽しい事件だったわ。




終わり。


以上が次女からのメールです。いかがでしたか?
これを読んだ爺婆と息子、男の子がポスターの文章を写し書いたと判った時の次女の焦った
顔が目に浮かび、もう可笑しくって、可笑しくって・・・・・でもこうやって大笑いできる結果で
本当に良かった!
大変な一日だったね。お疲れ様。



4 件のコメント:

Dori さんのコメント...

長い文章、息を殺して読みました。

まるで短編小説を読んでるように、ドキドキしながら、、、
メールの文章がすごいですね。
作家さんみたいだわ。

読者を惹きつけておいて、最後に信じられない結末、、、
良質な短編ミステリーでした。

お見事!

mikko さんのコメント...

Doriさん、読んでくださってありがとうございます。
私もハラハラ、ドキドキしながら、読み進み・・・最後にどんでん返しで大笑い! 次女のメールはいつもこんな感じでとにかく面白いのです。
日本に行ったり、韓国に行ったり、最近はニューメキシコと結構長期滞在することがある彼女からのメール、印刷してとってあります。いつか本出せるんじゃないか?なんて親バカですけど、たまに取り出して読むと大笑いできます(^0^)

いせっこ さんのコメント...

う~ん、すごい。テレビドラマの「ER」、以前は面白くて見てましたが、よく似た話がありましたよ。結末は覚えていないんだけど、お医者さんはためらいなくソーシャルワーカーに連絡するんですよね。で、お父さんはすごく怒るんです。数年前に見たんですが、そのころは日本はまだすぐソーシャルワーカーなどに連絡するというところまでいってなかったので、へえーと感心して見ていました。つまり、虐待だと確信しなくても疑いだけで連絡するのが当然だという考え方にです。メグちゃんのメールの子、日本だったら家に帰ってからこっぴどく怒られるところだけど、アメリカじゃそんなことはない?

mikko さんのコメント...

実際によくあるケース(DVのことです。この子みたいにDVのポスターをコピーする子はそうはいないでしょうけど。笑)みたいで、後で間違いだと分った方が、深刻なDVを見逃すよりよっぽど良い!と言うことでしょうね。日本ではまだまだ遠慮しているところが多い(行政も周りの人たちも)ような気がしますね。
きっと白人の子だったら上手に書けたことを誉められた後、今度から何かをコピーする時はまずパパかママに最初に見せてね!と言われ怒られないかも?
これが東洋人なら、こっぴどく怒られますね、きっと。インディアンのこの子の場合、どうだったのでしょう?たぶん、まったくもう、変なもん写すんじゃないよ!この子は!!ポカっ!と頭の一つもゴツンとやられたんじゃないかしら?
それにしても何事も無くて本当に良かったです(爆)